急性心筋梗塞を処置するための方法
专利摘要:
本発明は、被検体に、治療有効量の非タンパク質分解的活性化トロンビン受容体アゴニストを投与することを含む、被検体の急性心筋梗塞の処置方法を含む。本発明の方法において、NPARアゴニストは、本明細書において開示するトロンビンペプチド誘導体である。より具体的には、トロンビンペプチド誘導体の一例は、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:1)またはその少なくとも6個のアミノ酸残基を含むC末端切断断片を含むものである。 公开号:JP2011515471A 申请号:JP2011501845 申请日:2009-03-26 公开日:2011-05-19 发明作者:マイケル;アール. シェラー,;ランドルフ;シー. ステアー,;ジョン;ディー. ワグスタッフ, 申请人:オーソロジック コーポレイション; IPC主号:A61K45-00
专利说明:
[0001] 本願は、2008年3月26日に出願された米国仮特許出願第61/070,837号、および2008年8月5日に出願された米国仮特許出願第61/137,953号の利益を主張する。上記出願の全体の教示は、本明細書中に参考として援用される。] 背景技術 [0002] 発明の背景 心筋梗塞(MI)は、米国を含む多くの先進国での主な死亡原因である。世界保健機関(WHO)により、全世界の死亡例の13パーセントは、無症候性虚血から急性MI(AMI)の範囲に及ぶ心臓の虚血状態に関連していると推定された。一般的に、AMIは、典型的には、(血液供給が遮断された心臓領域の)急速な細胞損傷の原因となる重度の酸素不足(虚血)に至る(または死に至る可能性もある)アテローム性動脈硬化または塞栓症に起因する冠動脈の閉塞によって引き起こされる。また、AMIは、冠動脈攣縮、貧血、不整脈、高血圧症、低血圧症または心停止に起因する他の虚血事象によっても引き起こされる。場合によっては、経皮冠動脈介入(PCI)、ステント内血栓症または冠動脈バイパス移植(CABG)手術によってもAMIが引き起こされることが知られている。] [0003] 心臓疾患のいくつかの異なるリスクファクターでAMIに至るものとしては、喫煙、高血圧(高血圧症)、肥満、糖尿病、高脂肪の食事、および高い血液コレステロールレベル、特に高い低比重リポタンパク質(LDL)値と低い高比重リポタンパク質(HDL)レベルの組合せが挙げられる。他の因子としては、性別(男性の方がリスクが高い)、年齢ならびに遺伝的素因が挙げられる。] [0004] AMIの発症は、多くの場合、左腕、首または上胃部に放射状に広がることがあり得、場合によっては急性消化不良または胆嚢発作の感覚を刺激する狭心症(胸痛)を特徴とする。患者は、通常、息切れ、発汗、吐き気および/または失神を起こす。典型的な徴候は、頻脈、かろうじて認知できる脈、低血圧、体温の上昇、心律動異常、およびST部分とQ波の上昇を示す心電図(EKG/ECG)の異常である。また、臨床検査により、赤血球沈降速度の増大、白血球増加、および血清酵素(生化学的マーカー)(クレアチンキナーゼ(CK−MB)、乳酸デヒドロゲナーゼ、グルタミン酸‐オキサロ酢酸トランスアミナーゼ、ならびにトロポニンI、CおよびTなど)のレベルの上昇が示されることがあり得る。3つの典型的な徴候(すなわち、虚血性胸痛、ECG図の異常、および血清酵素レベルの上昇;「WHO基準」としても知られている)のうち2つが観察された場合、患者はAMIと診断される。(非特許文献1;非特許文献2)。とはいえ、現在では、AMIの判定において、心臓トロポニンなどの生化学的マーカーの上昇をより重視する傾向にある(非特許文献3)。トロポニンは、まず4〜12時間の間に増加し、梗塞形成の10〜48時間後にピークとなることが示されている(非特許文献4)。] [0005] 最近まで、壊死は、AMIにおける組織の損傷の唯一の原因とみなされていた。しかしながら、最近の研究により、アポトーシスも、ヒトAMIの心筋組織の損傷の過程に重要な役割を果たしていることが示されている(非特許文献5)。] [0006] 壊死もアポトーシスもどちらも細胞の死をもたらすが、これらは、形態学的特徴および細胞調節の特徴においていくつか異なる。AMI後の心臓組織の壊死は、細胞恒常性の急速な低下、水分と余分な細胞外イオン(電解質)の流入の結果としての急速な腫脹、早期の原形質膜破断、および細胞小器官の破壊を特徴とする。該膜の破断、続いて広範な細胞物質の漏出のため、壊死により心筋の炎症応答および白血球増加が誘発される。] [0007] 壊死とは異なり、AMIに関連するアポトーシスは、細胞収縮および核クロマチン凝縮を特徴とする調節型エネルギー要求性プロセスである。その後、細胞は、その膜から出芽してアポトーシス体を形成することにより周囲組織から離脱し、急速に貪食または分解される。心筋細胞のアポトーシスは、再灌流障害によって引き起こされることがわかっており、3時間という早期に起こり、最初のAMI事象から22時間後まで持続することが示されている(非特許文献6)。壊死とは異なり、一般的に、心筋細胞のアポトーシスでは炎症応答は引き起こされない。] [0008] 米国では、毎年、ほぼ100万人の患者がAMIのため病院を訪れる。さらに、AMIに苦しむ200,000〜300,000人が医療補助を受けようとする前に死亡している。ST上昇が起こった患者の3分の1は、突発的な虚血の発生24時間以内に死亡しており、生存者の多くは死亡率が相当高い。] [0009] AMIの緊急処置の際には心肺蘇生術が施され、その後、患者は、集中心臓治療室に収容され、心臓モニタリング下に置かれる。また、酸素、強心剤、抗不整脈薬および抗凝固薬も投与され得る。しかしながら、AMI罹患者の心臓組織に直接介入させ、それにより細胞損傷を低減するためのFDA承認薬はまだない。したがって、心筋梗塞に起因する心筋層の細胞損傷を低減させる新たな治療用薬剤の開発の必要性が存在している。] 先行技術 [0010] Gillumら,Am. Heart. J.(1984)108:150−8 Tunstall−Pedoeら,Circulation,90:583−612(1994) Alpertら、J. Am. Coll. Cardiol. 36:959−969(2000) Goldmannら、Curr. Control. Trials Cardiovasc. Med. 2:75−84(2001) Sarasteら,Circulation 95:320−323(1997) Hofstraら,Lancet 356:209−212 (2000)] 課題を解決するための手段 [0011] 発明の概要 TP508は、非タンパク質分解的活性化トロンビン受容体(以下、本明細書において「NPAR」)を刺激または活性化するポリペプチドであり、急性心筋梗塞を処置するために使用され得る。TP508により、急性心筋梗塞に伴って生じる心筋組織に対する損傷が限定的となり得る。本発明は、被検体に治療有効量のNPARアゴニストを投与することを含む、急性心筋梗塞を有する被検体(例えば、ヒト患者)の心筋組織の処置方法を含む。] [0012] 本発明の方法において、NPARアゴニストは、本明細書において開示するトロンビンペプチド誘導体である。より具体的には、トロンビンペプチド誘導体の一例は、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:1)またはその少なくとも6個のアミノ酸残基を含むC末端切断断片を含むものである。別の特定の一実施形態において、トロンビンペプチド誘導体は、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:2)、少なくとも14個のアミノ酸残基を有する該トロンビンペプチド誘導体のN末端切断断片、または少なくとも18個のアミノ酸残基を含むトロンビンペプチド誘導体のC末端切断断片を含むものである。X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである。別の特定の一実施形態において、トロンビンペプチド誘導体は、ポリペプチドH−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−NH2(配列番号:3)である。] [0013] 別の実施形態において、NPARアゴニストは、本明細書において開示する修飾型トロンビンペプチド誘導体である。特定の一実施形態において、修飾型トロンビンペプチド誘導体は、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Xaa−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:4)または少なくとも6個のアミノ酸残基を有するそのC末端切断断片を含むものである。別の特定の一実施形態において、修飾型トロンビンペプチド誘導体は、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Xaa−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:5)または配列番号:5のアミノ酸残基10〜18を含む断片を含むものである。] [0014] また、本発明のトロンビンペプチド誘導体または修飾型トロンビンペプチド誘導体を含む医薬組成物には、二量体化インヒビターが含まれ得る。二量体化インヒビターは、トロンビンペプチド誘導体または修飾型トロンビンペプチド誘導体の二量体化を抑止または低減させる化合物である。二量体化インヒビターとしては、キレート剤および/またはチオール含有化合物が挙げられる。] [0015] 別の実施形態において、NPARアゴニストは、本明細書において開示する2つのトロンビンペプチド誘導体の二量体である。より具体的には、かかる二量体の一方は、アミノ酸配列Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:1)または少なくとも6個のアミノ酸残基を有するそのC末端切断断片を含むものである。別の特定の一実施形態において、該二量体は、アミノ酸配列Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:2)または配列番号:2のアミノ酸残基10〜18を含む断片を有するポリペプチドを含むものである。本発明の別の実施形態において、該二量体は、ポリペプチドH−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−NH2(配列番号:3)を含むものである。別の特定の一実施形態において、該二量体は構造式(IV)で表わされる。] [0016] 上記でいうトロンビンは哺乳動物のトロンビン、特にヒトトロンビンであり得る。トロンビン部分は、トロンビン受容体結合ドメインまたはその一部分であり得る。一実施形態において、トロンビン受容体結合ドメインまたはその一部分は、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:6)を含むものである。トロンビン受容体結合ドメインの別の一部分は、ポリペプチドGlu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly(配列番号:7)を含むものである。] 図面の簡単な説明 [0017] 図1Aおよび1Bは、雄ユカタンブタのTP508(「TP」,n=7)処置群およびビヒクル対照(「CT」,n=7)処置群における、内皮依存性アデノシン二リン酸(ADP)(図1A)および内皮非依存性ニトロプルシドナトリウム(SNP)(図1B)物質に対する冠微細血管応答を示すグラフである。このグラフは、予備収縮直径に対する弛緩割合で規定される弛緩応答を示す。 図2は、リスク領域(area−at−risk)(AAR)に対する割合としての梗塞サイズを示すグラフである。OVC:正常コレステロール血で未処置(n=7);OTC:正常コレステロール血で処置(n=7);OVH:高コレステロール血症で未処置(n=7);OTH:高コレステロール血症で処置(n=7);およびOTHF:高コレステロール血症で2倍用量(n=4)。 図3は、全左心室質量に対する割合としてのリスク領域(AAR)を示すグラフである。OVC:正常コレステロール血で未処置(n=7);OTC:正常コレステロール血で処置(n=7);OVH:高コレステロール血症で未処置(n=7);OTH:高コレステロール血症で処置(n=7);およびOTHF:高コレステロール血症で2倍用量(n=4)。 図4は、TP508(NC−TP508;ボーラス:0.5mg/kg;注入:1.25mg/kg/時;n=7)で処置した正常コレステロール血の(NC)ブタの梗塞サイズを、正常コレステロール血で未処置のビヒクル対照群(NC−対照;生理食塩水;n=7)の梗塞サイズに対する割合として示すグラフである。p値は0.05未満(p<0.05)であった。 図5は、TP508で処置した高コレステロール血症の(HC)ブタの梗塞サイズを、高コレステロール血症で未処置のビヒクル対照群(A;HC−対照;n=7)の梗塞サイズに対する割合として示すグラフである。処置群には:(1)0.05mg/kgの静脈内ボーラス用量および0.125mg/kg/時の注入用量のTP508(B;HC−TP508用量0.1倍;n=7);(2)0.5mg/kgの静脈内ボーラス用量および1.25mg/kg/時の注入用量のTP508(C;HC−TP508用量1倍;n=7);(3)1.0mg/kgの静脈内ボーラス用量および2.50mg/kg/時の注入用量のTP508(D;HC−TP508用量2倍;n=7);あるいは(4)モルベースでHC−TP508用量1倍に等価な用量のTP508二量体(E;HC−TP508二量体;n=7)のいずれかを与えた。p値は0.05未満(p<0.05)であった。] 図1A 図1B 図2 図3 図4 図5 [0018] 発明の詳細な説明 本発明は、被検体に、非タンパク質分解的活性化トロンビン受容体(NPAR)のアゴニストの治療有効量を急性心筋梗塞発症の7日以内に投与することを含む、被検体(例えば、ヒト患者)の急性心筋梗塞の処置方法を含む。一実施形態において、NPARアゴニストは、心筋組織のアポトーシスを抑止または低減することにより心筋組織の損傷を低減または限定する。] [0019] 本明細書で用いる場合、「急性心筋梗塞」は、動脈への血流または酸素供給が不充分である結果としての急速な心筋組織の損傷を特徴とする突発的または即時的な(慢性でない)虚血事象をいう。急性心筋梗塞は、バイオマーカー(例えば、限定されないが、トロポニンIおよびT、ならびにクレアチンキナーゼ(CK−MB))の血清濃度の上昇を特徴とする。急性心筋梗塞に関連するトロポニンIおよびTならびにCK−MBの血清レベルの上昇は、参照対照群(すなわち、正常集団)の99パーセンタイルより高いと定義する。例えば、99パーセンタイルの急性心筋梗塞と判定するためのカットオフポイントは、トロポニンIおよびTでは、市販のアッセイの感度および型によるが、0.03〜1.0ng/mlの範囲である(ThygesenらCirculation 116:2634−2653(2007);Morrowら Clinical Chemistry 53:552−574(2007)参照)。] [0020] 本明細書で言及する場合、「急性心筋梗塞」は、突発的または即時的な虚血事象の発生により起こり、その後、7日間まで持続するものである。本明細書で用いる急性心筋梗塞は、突発的または即時的な虚血事象の発生後6時間までを、さらに「発展期(evolving stage)」と分類する。さらに、急性心筋梗塞は、突発的または即時的な虚血事象の発生後6時間から7日間までを、「急性期」と分類する。] [0021] NPARアゴニストは、発展期および/または急性期中の任意の時点で投与される(数回の間隔で投与される複数回用量を含む)。NPARアゴニストは、突発的または即時的な虚血事象の発生後、1、2、3、4、5または6時間の時点および/または該時間以内に投与され得る。NPARアゴニストは、急性心筋梗塞発症後、7、8、9、10、15、24、36または48時間の時点および/または該時間以内に投与され得る。NPARアゴニストは、急性心筋梗塞発症後、3、4、5、6または7日の時点および/または該日数以内に投与され得る。あるいはまた、NPARアゴニストは、本明細書で用いているように、急性心筋梗塞発症後0〜48時間、1〜3日、2〜4日、2〜7日または3〜7日の間に投与され得る。ボーラス用量は静脈内投与され得るか、または連続注入により、ある期間にわたって投与され得る。また、ボーラス法と連続注入法の組合せを使用してもよい。NPARアゴニストは、このような期間中に1回投与してもよく、あるいはまた、このような期間内に2、3、4、5、6、7、8回またはさらにそれ以上投与してもよい。一実施形態において、NPARアゴニストでの処置は、このような期間後に終了する。あるいはまた、該期間終了後も処置を継続してもよい。] [0022] NPARを刺激する化合物はNPARアゴニストと称される。かかるNPARの一例は、ほとんどの細胞の表面上に存在する高親和性トロンビン受容体である。このNPAR成分は、主に、細胞へのトロンビン、タンパク質分解的不活化トロンビンおよびトロンビン由来ペプチドの高親和性結合を担う。このNPARは、トロンビンによって、そのタンパク質分解活性とは無関係に生成されるいくつかの細胞内シグナルを媒介していると思われる(Sowerら,Experimental Cell Research,247:422(1999)参照)。したがって、このNPARは、細胞表面でのトロンビンとの高親和性相互作用、およびトロンビンのタンパク質分解的不活性誘導体とトロンビン由来ペプチドアゴニストによる活性化を特徴とする(後述)。NPARの活性化は、米国特許第5,352,664号および同第5,500,412号に開示されているように、分裂促進濃度未満濃度のトロンビンまたはプロテインキナーゼCを活性化する分子の存在下で線維芽細胞に添加したとき、細胞増殖を刺激する分子の能力に基づいてアッセイされ得る。これらの特許の全教示は、引用により本明細書に組み込まれる。NPARアゴニストは、この活性化または細胞に対して125I−トロンビン結合と競合する能力によって認定され得る。] [0023] トロンビン受容体結合ドメインは、トロンビン受容体に直接結合する、および/または高親和性トロンビン受容体とα−トロンビン間の結合を競合的に阻害するポリペプチドまたはポリペプチド部分と定義する。] [0024] 本発明のNPARアゴニストとしては、本明細書に開示しているようなトロンビン誘導体ペプチド、修飾型トロンビン誘導体ペプチドおよびトロンビン誘導体ペプチド二量体が挙げられる。] [0025] トロンビンペプチド誘導体 NPARアゴニストのうち、トロンビンペプチド誘導体(また、「トロンビン誘導体ペプチド」)は、トロンビンの類似体であり、少なくとも一部がトロンビンのものに由来するアミノ酸配列を有し、非タンパク質分解的活性化トロンビン受容体において活性である。トロンビンペプチド誘導体としては、例えば、組換えDNA法によって作製されるペプチド、ペプチド二量体、トロンビンの酵素分解によって作製されるペプチド、および合成により作製されるペプチドが挙げられ、これらは、トロンビンに対するアミノ酸置換および/または修飾型アミノ酸残基を含むものであってもよい(特に、末端に)。] [0026] 本明細書に記載のペプチドはすべて、イオン化性基(すなわち、N末端残基(reside)のアミノ基、C末端残基のカルボキシル基および/または該ペプチドの側鎖内のアミノ酸)を含むことは理解されよう。当業者であれば、このようなイオン化性基が、本明細書でいうトロンビンペプチド誘導体が存在している溶液のpHに加え、該ペプチドの正味電荷にも寄与することは理解されよう。イオン性物質は酸または塩基の形態で存在し得るため、本明細書でいうトロンビンペプチド誘導体は、そのイオン化状態に応じて種々の塩形態で存在し得る。したがって、本明細書において、トロンビンペプチド誘導体をアミノ酸配列またはなんらかの他の記述によって示している場合、対応するその薬学的に適した塩も包含されていることは理解されよう。] [0027] 薬学的に許容され得る塩形態としては、薬学的に許容され得る酸性/アニオン性または塩基性/カチオン性の塩が挙げられる。薬学的に許容され得る酸性/アニオン性の塩としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重酒石酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩(estolate)、エシル酸塩(esylate)、フマル酸塩、グルセプト酸塩(glyceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、アルサニル酸グリコリル、レゾルシン酸ヘキシル、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩(diphospate)、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸、トシル酸塩、およびトリエチオダイド(triethiodide)塩が挙げられる。薬学的に許容され得る塩基性/カチオン性の塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ジエタノールアミン、N−メチル−D−グルカミン、L−リジン、L−アルギニン、アンモニウム、エタノールアミン、ピペラジンおよびトリエタノールアミン塩が挙げられる。] [0028] 本発明のNPARアゴニストは、米国特許第5,352,664号および同第5,500,412号に記載のトロンビン誘導体ペプチドを含む。一実施形態において、本発明のNPARアゴニストは、トロンビンペプチド誘導体または生理学的機能性等価物、すなわち、約50個以下のアミノ酸残基、好ましくは約30個以下のアミノ酸残基を有し、トロンビンアミノ酸残基508〜530(Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val;配列番号:6)に対応するヒトトロンビン断片に充分な相同性を有するポリペプチドであって、NPARを活性化するポリペプチドである。本明細書に記載のトロンビンペプチド誘導体または修飾型トロンビンペプチド誘導体は、好ましくは約12〜約23個のアミノ酸残基、より好ましくは約19〜約23個のアミノ酸残基を有する。] [0029] 別の実施形態において、本発明のNPARアゴニストは、構造式(I): Asp−Ala−R(I) で表わされる部分を含むトロンビンペプチド誘導体である。Rは、セリンエステラーゼ保存ドメインである。セリンエステラーゼ(例えば、トリプシン、トロンビン、キモトリプシンなど)は、高度に保存された領域を有する。「セリンエステラーゼ保存ドメイン」は、このような保存領域のうちの1つのアミノ酸配列を有するポリペプチド、またはこのような保存領域のうちの1つに対して、該トロンビンペプチド誘導体がNPAR活性化能を保持するように充分に相同であるポリペプチドをいう。] [0030] トロンビン誘導体の生理学的機能性等価物は、トロンビン誘導体と特定事項において異なるが、トロンビン受容体結合ドメインまたはセリンエステラーゼ保存アミノ酸配列の機能には影響しない分子を包含する。かかる特定事項としては、限定されないが、同類アミノ酸置換および修飾、例えば、カルボキシル末端のアミド化、アミノ末端のアセチル化、生理学的に不活性な担体分子への該ポリペプチドのコンジュゲーション、またはセリンエステラーゼ保存配列に従う配列改変が挙げられ得る。] [0031] セリンエステラーゼ保存配列を有するドメインは、セリンプロテアーゼ間で高度に保存されていることがこれまでに示されているドデカペプチド(Asp−X1−Cys−X2−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X3−Val;配列番号:13)の4〜12個のN末端アミノ酸残基を含むポリペプチド配列を含むものであり得る;式中、X1は、AlaまたはSerのいずれかであり;X2は、GluまたはGlnのいずれかであり;X3は、Phe、Met、Leu、HisまたはValである。] [0032] 一実施形態において、セリンエステラーゼ保存配列は、アミノ酸配列Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:14)または配列番号:14のアミノ酸配列を有するポリペプチドのC末端切断断片を含むものである。しかしながら、該セリンエステラーゼ保存配列内の0、1、2または3個のアミノ酸残基は、配列番号:14の対応するアミノ酸と異なっていることがあり得ることは理解されよう。好ましくは、配列番号:14の対応するアミノ酸と異なっているセリンエステラーゼ保存配列内のアミノ酸残基は保存的置換であり、より好ましくは高度保存的置換である。「C末端切断断片」は、アミノ酸残基またはアミノ酸残基ブロックをC末端から除去した後に残る断片をいい、前記断片は少なくとも6個、より好ましくは少なくとも9個のアミノ酸残基を有する。] [0033] 別の実施形態において、セリンエステラーゼ保存配列は、配列番号:15(Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val;X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである)またはその少なくとも6個のアミノ酸残基、好ましくは少なくとも9個のアミノ酸残基を有するC末端切断断片のアミノ酸配列を含むものである。] [0034] 好ましい実施形態において、トロンビンペプチド誘導体は、セリンエステラーゼ保存配列と、より特異的なトロンビンアミノ酸配列Arg−Gly−Asp−Ala(配列番号:16)を有するポリペプチドを含む。この型のトロンビンペプチド誘導体の一例は、Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:1)を含むものである。X1およびX2は上記に規定のとおりである。トロンビンペプチド誘導体は、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:6)またはそのN末端切断断片を含むものであってもよい、ただし、該トロンビンペプチド誘導体内の1〜9位の0、1、2または3個のアミノ酸残基は、配列番号:6内の対応する位置のアミノ酸残基と異なっているものとする。好ましくは、配列番号:6内の対応するアミノ酸残基と異なっている該トロンビンペプチド誘導体内のアミノ酸残基は保存的置換であり、より好ましくは高度保存的置換である。「N末端切断断片」は、アミノ酸残基またはアミノ酸残基ブロックを、好ましくは6個以下のアミノ酸残基ブロック、より好ましくは3個以下のアミノ酸残基ブロックをN末端から除去した後に残る断片をいう。] [0035] 任意選択で、本明細書に記載のトロンビンペプチド誘導体は、C末端がアミド化および/またはN末端がアシル化されていてもよい。特定の一実施形態において、トロンビンペプチド誘導体はC末端アミドを含み、アシル化N末端を任意選択で含み、前記C末端アミドが−C(O)NRaRbで表わされ、式中、RaおよびRbは、独立して、水素、10個までの炭素原子を含む置換もしくは非置換脂肪族基であるか、またはRaとRbが、これらが結合している窒素と一緒になってC3〜C10非芳香族複素環式基を形成しており、前記N末端アシル基がRcC(O)−で表わされ、式中、Rcは水素、10個までの炭素原子を含む置換もしくは非置換脂肪族基、またはC3〜C10置換もしくは非置換芳香族基であるものである。別の特定の一実施形態において、トロンビンペプチド誘導体のN末端は遊離状態(すなわち、非置換)であり、C末端は遊離状態(すなわち、非置換)であるか、または好ましくはカルボキサミド(すなわち、−C(O)NH2)としてアミド化されている。特定の一実施形態において、トロンビンペプチド誘導体は、下記のアミノ酸配列:Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:6)を含むものである。別の特定の一実施形態において、トロンビンペプチド誘導体は、Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:17)のアミノ配列を含むものである。あるいはまた、トロンビンペプチド誘導体は、配列番号:18:Asp−Asn−Met−Phe−Cys−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−Met−Lys−Ser−Pro−Pheのアミノ酸配列を含むものである。配列番号:6、17または18のアミノ酸配列を含むトロンビンペプチド誘導体は、任意選択で、C末端がアミド化および/またはN末端がアシル化されていてもよい。好ましくは、N末端は遊離状態(すなわち、非置換)であり、C末端は遊離状態(すなわち、非置換)であるか、または好ましくはカルボキサミド(すなわち、−C(O)NH2)としてアミド化されている。しかしながら、トロンビンペプチド誘導体内の1〜9位および14〜23位の0、1、2または3個のアミノ酸残基は、配列番号:6内の対応するアミノ酸と異なっていることがあり得ることは理解されよう。また、トロンビンペプチド誘導体内の1〜14位および19〜33位の0、1、2または3個のアミノ酸残基が、配列番号:18内の対応するアミノ酸と異なっていることがあり得ることも理解されよう。好ましくは、配列番号:6または配列番号:18内の対応するアミノ酸と異なっているトロンビンペプチド誘導体内のアミノ酸残基は保存的置換であり、より好ましくは高度保存的置換である。あるいはまた、少なくとも14個のアミノ酸残基を有するトロンビンペプチド誘導体のN末端切断断片、または少なくとも18個のアミノ酸残基を有するトロンビンペプチド誘導体のC末端切断断片は、NPARアゴニストとして使用されるトロンビンペプチド誘導体である。] [0036] 「C末端切断断片」は、アミノ酸残基またはアミノ酸残基ブロックをC末端から除去した後に残る断片をいう。「N末端切断断片」は、アミノ酸残基またはアミノ酸残基ブロックをN末端から除去した後に残る断片をいう。C末端切断断片およびN末端切断断片はともに、任意選択で、C末端がアミド化および/またはN末端がアシル化されていてもよいことは理解されよう。] [0037] 開示した方法における使用に好ましいトロンビンペプチド誘導体は、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:2)を含むものである。開示した方法における使用に好ましい別のトロンビンペプチド誘導体は、ポリペプチドAsp−Asn−Met−Phe−Cys−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val−Met−Lys−Ser−Pro−Phe(配列番号:19)を含むものである。X1はGluまたはGlnであり;X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである。配列番号:2および配列番号:19のトロンビンペプチド誘導体は、上記に規定したようなC末端アミドおよび/またはアシル化N末端を任意選択で含んでいてもよい。好ましくは、N末端は遊離状態(すなわち、非置換)であり、C末端は遊離状態(すなわち、非置換)であるか、または好ましくはカルボキサミド(すなわち、−C(O)NH2)としてアミド化されている。あるいはまた、このような好ましいトロンビンペプチド誘導体のN末端切断断片(少なくとも14個のアミノ酸残基を有するN末端切断断片)、またはこのような好ましいトロンビンペプチド誘導体のC末端切断断片(少なくとも18個のアミノ酸残基を有するC末端切断断片)も、開示した方法において使用することができる。] [0038] TP508は、トロンビンペプチド誘導体の一例であり、23アミノ酸残基長であり、そのN末端アミノ酸残基Alaは非置換であり、C末端アミノ酸ValのCOOHは、−C(O)NH2で表わされるアミドに修飾されている(配列番号:3)。トロンビンペプチド誘導体の別の例は、配列番号:6のアミノ酸配列を含むものであり、N末端とC末端の両方が非置換である(「デアミドTP508」)。開示した方法に使用され得るトロンビンペプチド誘導体の他の例としては、TP508(またはデアミドTP508)のN末端切断断片(少なくとも14個のアミノ酸残基を有するN末端切断断片)、またはTP508(またはデアミドTP508)のC末端切断断片(少なくとも18個のアミノ酸残基を有するC末端切断断片)が挙げられる。] [0039] 本明細書で用いる場合、ポリペプチドにおける「保存的置換」は、あるアミノ酸を、同じ正味電荷およびほぼ同じ大きさと形状を有する別のアミノ酸で置き換えることである。脂肪族または置換脂肪族アミノ酸側鎖を有するアミノ酸残基は、側鎖内の炭素原子とヘテロ原子の総数が約4個より多く異ならない場合、ほぼ同じ大きさを有する。これらは、側鎖内の分枝の数が1つより多く異ならない場合、ほぼ同じ形状を有する。フェニルまたは置換フェニル基を側鎖内に有するアミノ酸残基は、ほぼ同じ大きさと形状を有するとみなされる。以下に、アミノ酸の5つの群を示す。ポリペプチド内のあるアミノ酸残基を同じ群の別のアミノ酸残基で置き換えると、保存的置換がもたらされる。] [0040] 第I群:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、およびC1〜C4脂肪族またはC1〜C4ヒドロキシル置換脂肪族側鎖(直鎖または1分枝)を有する非天然アミノ酸。] [0041] 第II群:グルタミン酸、アスパラギン酸およびカルボン酸置換C1〜C4脂肪族側鎖(非分枝または1分枝)を有する非天然アミノ酸。] [0042] 第III群:リジン、オルニチン、アルギニンおよびアミンまたはグアニジノ置換C1〜C4脂肪族側鎖(非分枝または1分枝)を有する非天然アミノ酸。] [0043] 第IV群:グルタミン、アスパラギンおよびアミド置換C1〜C4脂肪族側鎖(非分枝または1分枝)を有する非天然アミノ酸。] [0044] 第V群:フェニルアラニン、フェニルグリシン、チロシンおよびトリプトファン。] [0045] 本明細書で用いる場合、ポリペプチドにおける「高度保存的置換」は、あるアミノ酸を、側鎖内に同じ官能基を有し、大きさと形状がほぼ同じである別のアミノ酸で置き換えることである。脂肪族または置換脂肪族アミノ酸側鎖を有するアミノ酸は、側鎖内の炭素原子とヘテロ原子の総数が2個より多く異ならない場合、ほぼ同じ大きさを有する。これらは、側鎖内に同じ数の分枝を有する場合、ほぼ同じ形状を有する。高度保存的置換の例としては、ロイシンの代わりにバリン、セリンの代わりにトレオニン、グルタミン酸の代わりにアスパラギン酸、およびフェニルアラニンの代わりにフェニルグリシンが挙げられる。高度同類でない置換の例としては、バリンの代わりにアラニン、セリンの代わりにアラニン、およびセリンの代わりにアスパラギン酸が挙げられる。] [0046] 修飾型トロンビンペプチド誘導体 本発明の一実施形態において、NPARアゴニストは、上記のトロンビンペプチド誘導体に対して修飾されたものであって、前述のトロンビンペプチド誘導体のシステイン残基が、該ペプチドの二量体化が最小限となるように同様の大きさおよび電荷特性を有するアミノ酸で置き換えられたものである。好適なアミノ酸の例としては、アラニン、グリシン、セリン、およびS保護システインが挙げられる。好ましくは、システインは、アラニンまたはセリンで置き換えられる。修飾型トロンビンペプチド誘導体は、非修飾型トロンビンペプチド誘導体とほぼ同じ生物学的活性を有する。] [0047] 本明細書において開示する修飾型トロンビンペプチド誘導体は、上記のようなC末端アミドおよび/またはN末端アシル基を任意選択で含んでいてもよいことは理解されよう。好ましくは、トロンビンペプチド誘導体のN末端は遊離状態(すなわち、非置換)であり、C末端は遊離状態(すなわち、非置換)であるか、または好ましくはカルボキサミド(すなわち、−C(O)NH2)としてアミド化されている。] [0048] 特定の一実施形態において、修飾型トロンビンペプチド誘導体は、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Xaa−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:4)またはその少なくとも6個のアミノ酸を有するC末端切断断片を含むものである。より具体的には、該トロンビンペプチド誘導体は、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Xaa−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:20)または配列番号:20のアミノ酸残基10〜18を含む断片を含むものである。さらにより具体的には、該トロンビンペプチド誘導体は、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Xaa−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:5)または配列番号:5のアミノ酸残基10〜18を含む断片を含むものである。Xaaはアラニン、グリシン、セリンまたはS保護システインである。X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである。一実施形態において、X1はGluであり、X2はPheであり、XaaはAlaである。別の実施形態において、X1はGluであり、X2はPheであり、XaaはSerである。この型のトロンビンペプチド誘導体の一例は、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Ala−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:21)である。この型のトロンビンペプチド誘導体のさらなる一例は、ポリペプチドH−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Ala−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−NH2(配列番号:22)であり、式中、Hは、N末端での修飾がないことを示すアラニンの水素原子であり、NH2は、−C(O)NH2としてのC末端のアミド化を示す。該トロンビンペプチド誘導体内の0、1、2または3個のアミノ酸は、配列番号:4、20、5、21または22内の対応する位置のアミノ酸と異なっている、ただし、Xaaはアラニン、グリシン、セリンおよびS保護システインであるものとする。好ましくは、その違いは同類である。] [0049] 別の特定の一実施形態において、トロンビンペプチド誘導体は、ポリペプチドAsp−Asn−Met−Phe−Xbb−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Xaa−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−Met−Lys−Ser−Pro−Phe(配列番号:23)またはそのアミノ酸6〜28個を含む断片を含むものである。より好ましくは、該トロンビンペプチド誘導体は、ポリペプチドAsp−Asn−Met−Phe−Xbb−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Xaa−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val−Met−Lys−Ser−Pro−Phe(配列番号:24)またはそのアミノ酸6〜28個を含む断片を含むものである。XaaおよびXbbは独立して、アラニン、グリシン、セリンまたはS保護システインである。X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである。好ましくは、X1はGlu、X2はPheであり、XaaとXbbはアラニンである。この型のトロンビンペプチド誘導体の一例は、アミノ酸配列Asp−Asn−Met−Phe−Ala−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Ala−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−Met−Lys−Ser−Pro−Phe(配列番号:25)を含むポリペプチドである。この型のトロンビンペプチド誘導体のさらなる一例は、ポリペプチドH−Asp−Asn−Met−Phe−Ala−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Ala−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−Met−Lys−Ser−Pro−Phe−NH2(配列番号:26)であり、式中、Hは、N末端での修飾がないことを示すアスパラギン酸の水素原子であり、NH2は、−C(O)NH2としてのC末端のアミド化を示す。該トロンビンペプチド誘導体内の0、1、2または3個のアミノ酸は、配列番号:23、24、25または26内の対応する位置のアミノ酸と異なっていることがあり得る。XaaおよびXbbは独立して、アラニン、グリシン、セリンまたはS保護システインである。好ましくは、その違いは同類である。] [0050] 「S保護システイン」は、チオール部分−SHの反応性が保護基でブロックされているシステイン残基である。好適な保護基は当該技術分野で知られており、例えば、T. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis、第3版,John Wiley & Sons,(1999),pp.454−493(その教示は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されている。好適な保護基は、無毒性であり、医薬製剤中で安定であり、トロンビンペプチド誘導体の活性を維持するためのさらなる官能基が最小限であるものがよい。遊離状態のチオールは、チオエーテル、チオエステルとして保護してもよく、非対称ジスルフィドに酸化してもよい。好ましくは、チオールはチオエーテルとして保護する。好適なチオエーテルとしては、限定されないが、S−アルキルチオエーテル(例えば、C1〜C5アルキル)、およびS−ベンジルチオエーテル(例えば、システイン−S−S−t−Bu)が挙げられる。好ましくは、保護基はアルキルチオエーテルである。より好ましくは、S保護システインはS−メチルシステインである。あるいはまた、保護基は:1)ジスルフィド結合によってトロンビンペプチド誘導体のシステインチオール基に結合させるシステインもしくはシステイン含有ペプチド(「保護性ペプチド」);または2)トロンビンペプチド誘導体のシステインチオール基と保護性ペプチド内のカルボン酸(例えば、C末端あるいはアスパラギン酸もしくはグルタミン酸の側鎖)とをチオアミド結合によって結合させるアミノ酸またはペプチド(「保護性ペプチド」)であり得る。保護性ペプチドは、生理学的に不活性なもの(例えば、約50個以下のアミノ酸のポリグリシンもしくはポリアラニン(任意選択でシステインが割り込んでいる))であり得るか、または所望の生物学的活性を有するものであり得る。] [0051] 本発明のトロンビンペプチド誘導体または修飾型トロンビンペプチド誘導体は、本発明のトロンビンペプチド誘導体または修飾型トロンビンペプチド誘導体を含む医薬組成物の調製のために、二量体化インヒビターと混合してもよい。二量体化インヒビターとしては、キレート剤および/またはチオール含有化合物が挙げられ得る。また、抗酸化剤をキレート剤および/またはチオール含有化合物と組み合わせて使用してもよい。] [0052] 「キレート剤」は、本明細書で用いる場合、例えば、鉛、コバルト、鉄または銅イオンなどの金属イオン(1種類または複数種)に同時に結合することができる多数の部位(2、3、4つまたはそれ以上)を有する化合物である。該結合部位は、典型的には、酸素、窒素、イオウまたはリンを含む。例えば、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)の塩は、金属イオン(1種類または複数種)と、EDTAの4つの酢酸部分(−CH2C(O)O−)の酸素原子およびエチレンジアミン部分(>N−CH2−CH2−N<)の窒素原子との少なくとも4〜6つの結合により形成され得る。キレート剤には、金属イオン(1種類または複数種)に対する多数の結合部位を有するポリマーも含まれることは理解されよう。好ましくは、本発明のキレート剤は、無毒性であり、本発明の方法において投与される医薬組成物の投薬量で、許容され得ない副作用を引き起こさないものである。本発明のキレート剤としては、銅キレート剤が好ましい。「銅キレート剤」は、銅イオン(1種類または複数種)に結合することができるキレート剤をいう。銅キレート剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ペニシラミン、トリエンチン、N,N’−ジエチルジチオカルバメート(DDC)、2,3,2’−テトラアミン(2,3,2’−tet)、ネオクプロイン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)、1,10−フェナントロリン(PHE)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、トリエチレンテトラアミンおよびトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)が挙げられる。さらなるキレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)およびバソフェナントロリンジスルホン酸(BPADA)である。EDTAは好ましいキレート剤である。本発明の医薬組成物中に存在させるキレート剤の典型的な量は、約0.00001%〜約0.1%(重量基準)、好ましくは約0.0001%〜約0.05%(重量基準)の範囲である。] [0053] 「薬学的に許容され得るチオール含有化合物」は、本明細書で用いる場合、少なくとも1つのチオール(−SH)基を含み、投与される投薬量で、許容され得ない副作用を引き起こさない化合物である。薬学的に許容され得るチオール含有化合物の例としては、チオグリセロール、メルカプトエタノール、チオグリコール、チオジグリコール、システイン、チオグルコース、ジチオトレイトール(DTT)およびジチオ−ビス−マレイミドエタン(DTME)が挙げられる。典型的には、約0.001%〜約5%(重量基準)、好ましくは約0.05%〜約1.0%(重量基準)の薬学的に許容され得るチオール含有化合物を本発明の医薬組成物中に存在させる。] [0054] 「抗酸化剤」は、本明細書で用いる場合、酸素などの酸化剤によって引き起こされる酸化反応を抑制または低減させるために使用される化合物である。抗酸化剤の例としては、トコフェロール、シスチン、メチオニン、グルタチオン、トコトリエノール、ジメチルグリシン、ベタイン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、ビタミンE、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、チオグリコール酸および抗酸化剤ペプチド(例えば、ツルメリンなど)が挙げられる。典型的には、約0.001%〜約10%(重量基準)、好ましくは約0.01%〜約5%、より好ましくは約0.05%〜約2.0%(重量基準)の抗酸化剤を本発明の医薬組成物中に存在させる。] [0055] ある種のキレート剤またはチオール含有化合物は、抗酸化剤としての機能も果たすことがあり得ることは理解されよう(例えば、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン、システインまたはジチオトレイトール)。しかしながら、一般に使用されている他の型の抗酸化剤は、チオール基を含まない。また、ある種のチオール含有化合物が、キレート剤としても機能を果たすことがあり得ることも理解されよう(例えば、ジチオトレイトール)。しかしながら、一般に使用されている他の型のキレート剤は、チオール基を含まない。また、本発明の医薬組成物に、1種類より多くのキレート剤、チオール含有化合物または抗酸化剤を含めてもよいことも理解されよう。すなわち、例えば、キレート剤は、単独または1種類以上の他の適当なキレート剤との組合せのいずれかで使用され得る。] [0056] トロンビンペプチド誘導体二量体 本発明の一部の態様において、本方法のNPARアゴニストはトロンビンペプチド誘導体二量体である。該二量体は、本質的に単量体には戻らないが、依然として上記のトロンビンペプチド誘導体単量体とほぼ同じ生物学的活性を有する。「トロンビンペプチド誘導体二量体」は、共有結合によって、好ましくはシステイン残基間のジスルフィド結合によって連結された2つのトロンビンペプチド誘導体(ポリペプチド)を含む分子である。トロンビンペプチド誘導体二量体は、典型的には、対応する単量体を本質的に含まない(例えば、95重量%超含まない、好ましくは99重量%超含まない)。好ましくは、該ポリペプチドは同じであり、ジスルフィド結合によって共有結合されている。] [0057] 本発明のトロンビンペプチド誘導体二量体は、上記のトロンビンペプチド誘導体を含むものである。具体的には、トロンビンペプチド誘導体は、約50個より少ないアミノ酸、好ましくは約33個またはより少ないアミノ酸を有する。本明細書に記載のトロンビンペプチド誘導体二量体は、典型的には少なくとも6個のアミノ酸、好ましくは約12〜約33個のアミノ酸残基、より好ましくは約12〜約23個のアミノ酸残基を有するポリペプチドで形成されたものである。該二量体のトロンビンペプチド誘導体単量体サブユニットは、NPARが活性化されるようにトロンビンアミノ酸残基508〜530(Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:6))に対応するヒトトロンビン断片に対して充分な相同性を有する。] [0058] 特定の一実施形態において、二量体の2つのトロンビンペプチド誘導体(単量体)は各々、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:1)またはその少なくとも6個のアミノ酸残基を含むC末端切断断片を含むものである。より具体的には、ポリペプチド単量体は、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:6)または配列番号:5のアミノ酸残基10〜18を含む断片を含むものである。さらにより具体的には、ポリペプチド単量体は、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:2)または配列番号:2のアミノ酸残基10〜18を含む断片を含むものである。X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである。好ましくは、X1がGluであり、X2がPheである。この型のポリペプチドの一例は、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:6)である。さらなる一例は、ポリペプチドH−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−NH2(配列番号:3)であり、式中、Hは、N末端での修飾がないことを示すアラニンの水素原子であり、NH2は、−C(O)NH2としてのC末端のアミド化を示す。ポリペプチド内の0、1、2または3個のアミノ酸残基は、配列番号:6、1、2または3内の対応する位置のアミノ酸残基と異なっている。好ましくは、その違いは同類である。] [0059] 本発明のトロンビンペプチド誘導体二量体の一例は、式(IV):] [0060] で表わされるものである。式(IV)の二量体およびその塩を「TP508二量体」と称する。] [0061] 別の特定の一実施形態において、二量体の2つのトロンビンペプチド誘導体(単量体)は、各々、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−Met−Lys−Ser−Pro−Phe−Asn−Asn−Arg−Trp−Tyr(配列番号:27)またはその少なくとも23個のアミノ酸残基を有するC末端切断断片を含む。より好ましくは、ポリペプチドは、Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val−Met−Lys−Ser−Pro−Phe−Asn−Asn−Arg−Trp−Tyr(配列番号:8)またはその少なくとも23個のアミノ酸残基を含むC末端切断断片を含む。X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである。好ましくは、X1がGluであり、X2がPheである。この型のポリペプチドの一例は、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−Met−Lys−Ser−Pro−Phe−Asn−Asn−Arg−Trp−Tyr(配列番号:27)である。この型のポリペプチドのさらなる一例は、ポリペプチドH−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−Met−Lys−Ser−Pro−Phe−Asn−Asn−Arg−Trp−Tyr−NH2(配列番号:9)であり、式中、Hは、N末端での修飾がないことを示すアラニンの水素原子であり、NH2は、−C(O)NH2としてのC末端のアミド化を示す。ポリペプチド内の0、1、2または3個のアミノ酸残基は、配列番号:27、配列番号:8または配列番号:9内の対応する位置のアミノ酸残基と異なっている。好ましくは、その違いは同類である。] [0062] NPARアゴニストでの処置方法 本発明は、被検体に、治療有効量のNPARアゴニストを急性心筋虚血の発症後7日以内に投与することを含む、被検体の急性心筋梗塞の処置方法に関する。] [0063] 開示した方法は、急性心筋梗塞発生時の一次処置法として使用され得る。開示した方法は、任意の特定の種類の心臓組織または心臓箇所に限定されない。開示した方法によって処置され得る急性心筋梗塞の例としては、限定されないが、中隔壁、前壁、前壁中隔壁、前外側壁、広範(extensive)前壁、下側壁、外側壁後壁、左心室壁および右心室壁の心筋層に対する梗塞形成が挙げられる。開示した方法によって処置され得る急性心筋梗塞の一例としては、限定されないが、心内膜に対する梗塞形成が挙げられる。] [0064] 「被検体」は、好ましくはヒトであるが、トロンビン受容体アゴニストでの処置を必要とする動物、例えば、愛玩動物(例えば、イヌ、ネコなど)、飼育動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマなど)および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)であってもよい。本明細書で用いる場合、「被検体」は、急性心筋梗塞が起こっているヒト患者であり得る。一実施形態において、「被検体」は、コレステロールレベルが200mg/デシリットル(mg/dL)より高い高コレステロール血症患者である。別の実施形態において、高コレステロール血症(hypercholestrolemic)患者は、240mg/dL以上である総コレステロールレベルを有する。本明細書で用いる場合、「被検体」は、低比重リポタンパク質(LDL)レベルが70mg/dL以上の高コレステロール血症患者であり得る。別の実施形態において、被検体は、LDLレベルが100、130、160、190mg/dLまたはそれ以上の急性心筋梗塞が起こっているヒト患者であり得る。また別の実施形態において、「被検体」は、トリグリセリドレベルが200mg/dL以上のヒト患者であり得る。] [0065] 「高コレステロール血症」または「高コレステロール血症の」は、本明細書で用いる場合、被検体の総コレステロールの血中レベルが、急性心筋梗塞を発症する直前において1、2、3、4、5、6、7日間またはそれ以上長く200mg/dLより高かった状態をいう。一実施形態において、「高コレステロール血症」または「高コレステロール血症の」は、本明細書で用いる場合、被検体の総コレステロールの血中レベルが、急性心筋梗塞を発症する直前において少なくとも1、2、3または4週間200mg/dLより高かった状態をいう。別の実施形態において、「高コレステロール血症」または「高コレステロール血症」は、被検体の総コレステロールレベルが、急性心筋梗塞を発症する前において少なくとも1、2、3、4、6ヶ月またはそれ以上長く200mg/dLより高かった状態をいう。] [0066] 「治療有効量」は、未処置対照またはシャム処置対照と比べて心筋層に対する損傷の量の低減がもたらされるNPARアゴニストの量である。NPARアゴニストは、アポトーシスの程度を有効に抑制または低減するものであり得る。治療有効量は、未処置対照またはシャム処置対照と比べて、心筋層におけるアポトーシスの程度の低減がもたらされるNPARアゴニストの量であり得る。これは、(1)梗塞サイズが小さくなっている;(2)心筋層内のアポトーシスと関連しているタンパク質因子(アポトーシス誘導因子(AIF)、badおよび切断型カスパーゼ3など)が少なくなっている;および/または(3)未処置集団と比べてTUNEL陽性心筋細胞が少なくなっていることによって判定され得る。投与されるNPARアゴニストの量は、急性心筋梗塞の重症性の程度、および医薬製剤の放出特性に依存する。また、被検体の健康、体格、体重、年齢、性別および薬物に対する耐容性にも依存する。1回より多く投与される場合、NPARアゴニストは、好ましくは等間隔で投与し、各用量は同じであっても異なっていてもよいが、好ましくは同じにする。虚血部位に送達されるNPARアゴニストの用量は、例えば0.1〜500μg、好ましくは1〜50μgであり得、一般的には3、5、10、30または50μgである。] [0067] 開示したNPARアゴニストは任意の適当な経路によって、例えば、虚血部位への局所導入(例えば、心臓カテーテル法により)などによって投与され得る。NPARアゴニストを静脈内投与してもよい。NPARアゴニストは、被検体に徐放製剤にて投与してもよく、ポンプもしくは埋入可能なデバイスによって、あるいは埋入可能な担体(後述するポリマーなど)によって送達してもよい。「心臓組織に投与される」とは、心臓の内表面または外表面に送達されることを意味する。あるいはまた、NPARアゴニストの送達点は、該アゴニストが拡散して虚血部位または心臓表面に接触し得るように虚血部位または心臓表面に充分近接している点、例えば、虚血部位または心臓表面の一方または両方の1cm以内の点であり得る。] [0068] NPARアゴニストは被検体に、医薬組成物の一部としての許容され得る医薬用担体とともに投与され得る。医薬組成物の製剤は、選択される投与様式に応じて異なる。好適な医薬用担体は、NPARアゴニストと相互作用しない不活性な成分を含むものであり得る。担体は、生体適合性である、すなわち、無毒性、非炎症性、非免疫原性であり、投与部位において他の望ましくない反応をしないものであるのがよい。薬学的に許容され得る担体の例としては、例えば、食塩水、市販の不活性なゲル、またはアルブミン、メチルセルロースもしくはコラーゲンマトリックスを補給した液体が挙げられる。さらなる例としては、滅菌水、生理食塩水、静菌食塩水(約0.9%mg/mlのベンジルアルコールを含有する食塩水)、リン酸緩衝食塩水、ハンクス液、乳酸加リンゲル液などが挙げられる。標準的な医薬製剤化手法、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Remington’s Pharmaceutical Sciences.XVIII,Mack Publishing Company,Easton,PA(1990))に記載のものなどが使用され得る。] [0069] 医薬組成物は、ゲルを含むものであってもよい。ゲルは、油性基剤、水または乳化−懸濁基剤から選択される基剤を含む組成物である。基剤には、基剤中でマトリックスを形成し、半固形の粘稠度まで粘性を増大させるゲル化剤が添加される。ゲル化剤の例は、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル酸ポリマーなどである。活性成分は製剤に、所望の濃度で、ゲル化剤の添加前の時点で添加されるか、またはゲル化プロセスの後に混合され得る。] [0070] 一実施形態において、NPARアゴニストは徐放製剤にて投与される。徐放製剤の形成には、多くの場合、ポリマーが使用される。このようなポリマーの例としては、ポリα−ヒドロキシエステル、例えば、ポリ乳酸/ポリグリコール酸のホモポリマーおよびコポリマー、ポリホスファゼン(PPHOS)、ポリ無水物ならびにポリ(プロピレンフマレート)が挙げられる。] [0071] ポリ乳酸/ポリグリコール酸(PLGA)のホモポリマーおよびコポリマーは、徐放媒体として当該技術分野でよく知られている。放出速度は、当業者により、ポリグリコール酸に対するポリ乳酸の比率および該ポリマーの分子量を変えることによって調整され得る(Andersonら,Adv.Drug Deliv.Rev.28:5(1997)(その全教示は、引用により本明細書に組み込まれる)参照)。ポリエチレングリコールを該ポリマーにブレンドとして組み込むことによって微粒子担体を形成すると、活性成分の放出プロフィールのさらなる改変が可能になる(Cleekら,J.Control Release 48:259(1997)(その全教示は、引用により本明細書に組み込まれる)参照)。また、リン酸カルシウムおよびヒドロキシアパタイトなどのセラミックスを製剤に組み込むことにより、機械的特性が改善され得る。] [0072] PPHOSポリマーは、以下の構造式(II):] [0073] に示すように、ポリマー主鎖内に窒素とリンを交互に含み、炭素を含まないものである。該ポリマーの性質は、該ポリマーの主鎖に結合された側鎖基RおよびR’の適当な変更によって調整され得る。例えば、PPHOSによる分解および薬物放出は、加水分解に不安定な側鎖基の量を変えることにより制御され得る。例えば、イミダゾリルまたはエチルグリコールのいずれかで置換されたPPHOSの組込みが多いほど、分解速度の増大が観察され(Laurencinら,J Biomed Mater.Res.27:963(1993)(その全教示は、引用により本明細書に組み込まれる)参照)、それにより薬物放出速度が増大する。] [0074] 急性心筋梗塞には、多くの場合、損傷心臓組織内での壊死プロセスによる胸痛および炎症などの症状および徴候が随伴する。かかる問題に対処するため、場合によっては、1種類以上のさらなる薬理学的に活性な薬剤をNPARアゴニストとともに共投与することが好都合であり得る。例えば、痛みや炎症のマネージメントには、鎮痛剤および/または抗炎症剤との共投与が必要であることがあり得る。また、血栓溶解剤(組織プラスミノゲン活性化因子(tPA)など)、抗血液凝固剤(ヘパリンなど)、抗不整脈剤(例えば、ナトリウム、カルシウムまたはカリウムチャネル遮断薬(キニジン、リドカイン、プロパフェノン、ブレチリウム、ベラパミルなど))ならびにβ遮断薬(プロプラノロールおよびソタロール)を共投与してもよい。] [0075] トロンビンペプチド誘導体および修飾型トロンビンペプチド誘導体は、固相ペプチド合成(例えば、BOCもしくはFMOC)法、液相合成、または他の適当な手法(例えば、前述の方法の組合せ)によって合成され得る。確立され、広く使用されているBOCおよびFMOC法は、Merrifield,J.Am.Chem.Soc.88:2149(1963);Meienhofer,Hormonal Proteins and Peptides,C.H.Li編,Academic Press,1983,pp.48−267;ならびにBaranyおよびMerrifield,The Peptides,E.GrossおよびJ.Meienhofer編,Academic Press,New York,1980,pp.3−285に記載されている。固相ペプチド合成法は、Merrifield,R.B.,Science,232:341(1986);Carpino,L.A.およびHan,G.Y.,J.Org.Chem.,37:3404(1972);ならびにGauspohl,H.ら,Synthesis,5:315(1992))に記載されている。これらの6件の論文の教示は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。] [0076] トロンビンペプチド誘導体二量体は、その単量体の酸化によって調製され得る。トロンビンペプチド誘導体二量体は、該トロンビンペプチド誘導体を過剰の酸化剤と反応させることにより調製することができる。よく知られた好適な酸化剤はヨウ素である。] [0077] 「非芳香族複素環式基」は、本明細書で用いる場合、3〜10個の原子を有し、少なくとも1個のヘテロ原子(窒素、酸素またはイオウなど)を含む非芳香族炭素環系である。非芳香族複素環式基の例としては、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニルが挙げられる。] [0078] 用語「アリール基」は、炭素環系と複素環式芳香族環系の両方を含む。アリール基の例としては、フェニル、インドリル、フラニルおよびイミダゾリルが挙げられる。] [0079] 「脂肪族基」は、直鎖、分枝鎖または環状の非芳香族炭化水素である。脂肪族基は完全に飽和であってもよく、1つ以上の不飽和単位(例えば、二重結合および/または三重結合)を含むものであってもよいが、好ましくは飽和、すなわちアルキル基である。典型的には、直鎖または分枝鎖の脂肪族基は1〜約10個、好ましくは1〜約4個の炭素原子を有するものであり、環状脂肪族基は3〜約10個、好ましくは3〜約8個の炭素原子を有するものである。脂肪族基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチルおよびシクロオクチルが挙げられる。] [0080] 脂肪族基、アリール基または非芳香族複素環式基に好適な置換基は、NPARアゴニストの治療活性を有意に低下させないもの、例えば天然アミノ酸に見られるものである。例としては、−OH、ハロゲン(−Br、−Cl、−Iおよび−F)、−O(Re)、−O−CO−(Re)、−CN、−NO2、−COOH、=O、−NH2−NH(Re)、−N(Re)2、−COO(Re)、−CONH2、−CONH(Re)、−CON(Re)2、−SH、−S(Re)、脂肪族基、アリール基ならびに非芳香族複素環式基が挙げられる。各Reは、独立して、アルキル基またはアリール基である。置換脂肪族基は、1つより多くの置換基を有するものであってもよい。] [0081] 本発明を以下の実施例によって例示するが、実施例はなんら限定することを意図しない。] [0082] 実施例1 I.実験手順 高コレステロール血症のユカタン(Yucatan)ミニブタを無作為に3つの処置群に分けた。これらの群は:(1)プラセボ(n=5〜10)(2)低用量TP508処置(n=6〜10)および(3)高用量TP508処置(n=4)とした。動物はすべて、第二対角枝に対して遠位の左前下行(LAD)動脈閉塞による局所左心室(LV)虚血(60分間)に供した。処置群には、再灌流の開始前に、静脈内(IV)ボーラス用量のプラセボまたはTP508のいずれかを10分間与えた後、残りの実験期間、TP508またはビヒクルの持続的IV注入を与えた。虚血後、心筋層に再灌流を120分間行なった。動脈血液ガス(ABG)、動脈血圧、ヘマトクリット(Hct)、LV圧、心拍数(HR)、EKG/ECG、O2飽和、核心温度、および静脈内輸液の必要性を測定し、記録した。長軸(LADに対して平行)および短軸(LADに対して垂直)の心筋の筋短縮(segmental shortening)を、虚血発生の前のベースラインおよび120分間の再灌流後の回収前において記録した。プロトコルが終了したら心臓を摘出し、虚血再灌流を行なった遠位LAD領域からの組織試料を、後述する分子解析のために採取した。また、適切な量の血液試料を採取し、後のさらなるバイオマーカーの解析に備えて凍結させた。] [0083] 手術 ブタを塩酸ケタミン(20mg/kg、筋肉内、Abbott Laboratories,North Chicago,IL)で鎮静させ、チオペンタールナトリウム(Baxter Healthcare Corporation,Inc,Deerfield,IL;5.0〜7.0mg/kg静脈内)のボーラス注入で麻酔した後、気管内挿管を行なった。換気は、従量式換気装置(Narkomed II−A型;North American Drager,Telford,PA;酸素,40%;一回換気量,600cc;換気速度,12呼吸/分;呼気終末陽圧,3cm H2O;呼気時間/吸気時間比、1:2)を用いて開始した。手術準備の開始時に3.0%セボフルラン(Ultane;Abbott Laboratories)で気管内全身麻酔を確立し、実験中は、1.0%で維持した。麻酔導入後、1リットルの乳酸加リンゲル静脈内(IV)液を投与し、その後、手術プロトコル中は150cc/時で継続した。右鼡径部の解離を行ない、大腿静脈および総大腿動脈を分離し、8Fシース(Cordis Corporation,Miami,FL)を用いてカニューレを挿入した。大腿静脈には、静脈内アクセス、TP508/プラセボ送達のためにカニューレを挿入し、右総大腿動脈には、動脈血試料採取および連続的動脈内血圧モニタリング(Millar Instruments,Houston,TX)のためにカニューレを挿入した。胸骨正中切開を行なって心膜を露出させ、次いで、これを切開して心膜クレイドル(cradle)を形成した。カテ先マノメーター(Millar Instruments,Houston,TX)を左心室尖部から導入し、LV圧を記録した。Sonometrics社製デジタル超音波水晶振動子測定システム(Sonometrics Corp,London,ON,Canada)を使用し、心外膜下層内の虚血LV領域にほぼ10mm離して埋め込んだ4つの2mmのデジタル超音波プローブを用いて、リスク領域(AAR)における筋短縮を評価した。データ記録(LV dP/dt、筋短縮、動脈血圧、心拍数)および心筋機能を調べるための後のデータ解析には、Cardiosoftソフトウェア(Sonometrics Corp,London,ON,Canada)を使用した。ベースラインの血流力学的測定および機能測定(全般:+LV dP/dt、局所:筋短縮)、動脈血ガス解析、およびヘマトクリットを取得した。ABG解析は、プロトコル中15分おきで継続し、ヘマトクリットは20分ごとに測定した。すべての動物に、心室律動異常に対する予防として75mgのリドカインと20mEqの塩化カリウム、ならびにLAD閉塞の前に60単位/kgの静脈内ヘパリンボーラスを与えた。LAD冠動脈は、ルンメル止血帯を使用し、第二対角枝の起点から3mm遠位で閉塞させた。心筋の虚血は、心筋表面の局所チアノーゼによって目視により確認した。局所虚血開始の50分後(再灌流の開始の10分前)、対照ブタにプラセボ担体溶液の静脈内注入を行ない、処置動物にはTP508を与えた。急性虚血発生の60分後、ルンメル止血帯を解き、心筋層に再灌流を120分間行なった。再灌流期間の終了時、血流力学的測定値および機能測定値を上記のようにして記録した後、LADを再結紮し、リスク領域(AAR)との境界を画定するために冠動脈口に対して遠位に大動脈内クロスクランプを設置後、モナストリル(monastryl)青色色素(Engelhard Corp,Louisville,KY)(PBS中、1:150希釈)を、大動脈根に注射した。速やかに心臓を摘出し、隔壁を含む左心室全体を解離して遊離状態にした。LVを、LADの軸に対して垂直に1cm厚の切片に切断した。青色色素染色部がないことから、AARが明白に確認された。LV尖部の近位1cmの切片のAARからの組織を分離し、分子試験および微細血管試験における使用のために分けた。残りの切片の重量を計測し、後述する梗塞サイズの計算に使用した。心室律動異常(心室細動または無脈性心室頻脈)事象を記録し、即時に電気的除細動(50 J、内部パドル)で処置した。] [0084] 全般および局所心筋機能の測定 全般心筋機能は、経時的なLV圧の最大の正の一次導関数を計算することにより評価した(+dP/dt)。局所心筋機能は、心外膜下の2mmの超音波プローブを使用し、筋短縮率(%SS)(ベースラインに対して正規化)を算出することにより測定した。測定値は、虚血発生の前のベースラインおよび再灌流終了時において取得した。データ取得中は、呼吸の影響を排除するため換気装置を停止させた。測定は、正常な洞調律での少なくとも3回の心臓周期のときに行ない、次いで平均した。拡張末期および収縮末期を正しく特定するためにデジタルデータを検査した。拡張末期筋長(segment length)(EDL)は、正のdP/dtの開始時に測定し、収縮末期筋長(ESL)は、負のピークdP/dt時に測定した。] [0085] 冠微細血管試験 冠微細血管試験は、冠微小循環における虚血−再灌流後の内皮平滑筋および血管平滑筋の損傷に対するTP508の効果を調べるために行なった。心臓を回収後、虚血LAD領域からの心筋被検物を4℃のクレブズ溶液中に浸漬させ、冠細動脈(直径80〜130μmおよび長さ1〜2mm)を周囲組織から、倍率40倍の解剖顕微鏡を用いて明確に解離した。微細血管をマウントし、加圧型分離臓器チャンバ内で上記のようにして調べた(1)。ニトロプルシドナトリウム(SNP)(1nM〜100mM)、内皮非依存性cGMP媒介性血管拡張薬、ならびにサブスタンスP(0.1pM〜10nM)、内皮依存性受容体媒介性血管拡張薬(生物学的に利用可能な一酸化窒素を介して作用する)に対する応答を、トロンボキサンA2類似体U46619(0.1〜1μM)によるベースライン直径の20〜50%までの予備収縮後に試験した。また、内皮依存性血管拡張薬であるアデノシン二リン酸(ADP)に対する冠微細血管応答も調べた。弛緩応答は、予備収縮直径に対する弛緩割合と定義する。] [0086] 心筋梗塞サイズの定量 左心室を分離し、1cm切片に切断し、梗塞サイズを評価した。簡単には、切片を即座に、1%塩化トリフェニルテトラゾリウム(TTC,Sigma Chemical Co,St Louis,MO)含有リン酸バッファー(pH7.4)中に、38℃で30分間浸漬させた。LVの梗塞領域(無染色を特徴とする)、非梗塞形成リスク領域(赤色の組織染色を特徴とする)、および非虚血部分(紫色の組織染色を特徴とする)を互いに明確に解離し、重量計測した。リスク領域率は:(梗塞質量+非梗塞リスク領域の質量)/全LV質量×100と定義した。梗塞サイズは、リスク領域(AAR)に対する割合として計算し、AARサイズのばらつき(あれば)に対して、下記の等式:(梗塞質量/全AAR質量)×100を用いて正規化した。] [0087] 抗アポトーシス因子に対するウエスタンブロッティング 全細胞溶解物を、放射性免疫沈降アッセイ(RIPA)バッファー(Boston Bioproducts,Worcester,MA)を用いて心筋ホモジナイズ試料から分離し、12,000gで、4℃にて10分間遠心分離し、可溶性画分を不溶性画分から分離した。タンパク質濃度は、DCタンパク質アッセイキット(Bio−RAD,Hercules,CA)を用いて、595nmの波長で分光測光法により測定した。40〜80マイクログラムの総タンパク質を、4〜20%勾配のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(Invitrogen,San Diego,CA)によって分画し、ポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)膜(Millipore,Bedford,MA)に移した。各膜を、以下のとおり:抗アポトーシス誘導因子(AIF)(1:1000希釈)、抗Bcl−2(1:1000希釈)、抗Bad(1:1000希釈)、抗ホスホBad(セリン136)(1:500希釈)、抗ホスホBad(セリン112)(1:2000希釈)、抗カスパーゼ−3(1:1000希釈)、抗切断型カスパーゼ−3(1:1000希釈)、抗PARP(1:1000希釈)、抗切断型PARP(1:1000希釈)および抗BNIP3の特異的抗体(Cell Signaling Technology,Beverly,MA)とともにインキュベートした。続いて、この膜を、希釈した適切な二次抗体(Jackson Immunolab,West Grove,PA)中で1時間インキュベートした。免疫複合体を、高感度化学発光検出システム(Amersham,Piscataway,NJ)を用いて可視化した。ラジオオートグラフィフィルムのデンシトメトリーによってバンドを定量した。タンパク質の負荷が等価であることを確認するため、Ponceau S染色を行なった。] [0088] 血清クレアチンキナーゼ−MB、トロポニンI、および脂肪酸結合タンパク質の定量 致死させる前に採取した血清を、クレアチンキナーゼ−MB(CK−MB)、トロポニンI、および脂肪酸結合タンパク質(FABP)の定量に使用した(タンパク質マイクロアレイ(Allied Biotech Inc.,Ijamsville,MD)を使用)。マーカーの血清レベルを、製造業者によって提供された標準品を基準にして計算した。] [0089] 組織炎症マーカーの定量 リスク領域(AAR)からの心筋組織(約50mg)を、プロテアーゼインヒビター(Complete Tablets,Roche Applied Sciences,Indianapolis,IN)を添加したRIPAバッファー(Boston BioProducts,Worcester,MA)中でホモジナイズし、10分間12,000gで遠心分離した。上清みをアリコートに分け、サイトカインアレイを用いて(Allied Biotech Inc.,Ijamsville,MD)、インターロイキン(IL)−6、IL−8、およびTNF−αの検出を3連で行なった。炎症メディエーターの組織内レベルを、製造業者によって提供された標準品を基準にして計算した。] [0090] 免疫組織化学的染色 虚血領域からの心筋組織を10%緩衝ホルマリン中に24時間入れた後、パラフィン包埋し、4μm切片に切断した。] [0091] 1.ポリ(ADP)リボシル化染色 ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ活性の免疫組織化学的検出のため、マウスモノクローナル抗ポリ(ADP−リボース)(PAR)抗体(Calbiochem,San Diego,CA)(1:1000,一晩,4℃)を使用した。二次標識は、ビオチン化ウマ抗マウス抗体(Vector Laboratories,Burlingame,CA)を使用することにより行なった(30分間、室温)。ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲートアビジン(30分間、室温)および褐色着色ジアミノベンジジン(約6分間、室温)を用いて、標識(Vector Laboratories,Burlingame,CA)を可視化した。切片をヘマトキシリンで対比染色した(青色)。盲検式で実験者が個々の切片の特異的染色強度を判定した。半定量的PARの陽性スコアを、以下のとおり:1:特異的染色なし、2:薄い細胞質染色、3:数個の陽性核、4:細胞のほぼ10%に薄い核染色、5:細胞のほぼ25%に薄い核染色、6:細胞のほぼ50%に薄い核染色、7:細胞のほぼ50%に強い核染色、8:核のほぼ75%が陽性、9:核のほぼ90%が陽性、10:数個の陰性細胞とした。] [0092] 2. TUNEL染色 アポトーシス細胞は、アポトーシス検出キットを製造業者のプロトコル(Chemicon Inc,Temecula,CA)に従って使用し、dUTPニックエンド標識(TUNEL)によって認定した。各組織切片について5枚の写真(倍率20倍)を撮影した。実験条件に対して知らされていない観測者が、核を見て手作業で計数した。アポトーシスを示すTUNEL陽性心筋細胞の数を、平均数/100細胞/顕微鏡視野で示した。] [0093] 統計学的方法 データは、平均±SEMで報告した。微細血管応答を、予備収縮直径に対する弛緩割合で示し、血管弛緩、log対象血管作用剤濃度、および実験群間の関係を調べるために、二元反復測定分散分析を用いて解析した(SASVersion 9.1,Cary,NC)。ウエスタンブロットは、負荷バンド密度に対するタンパク質の比で示し、Image J version 1.33(米国国立衛生研究所,USA)でのX線フィルムのデジタル処理および定量後に解析した。ブロットおよびILMデータを、分散分析を用いて解析した。多数回の検定にボンフェローニの補正を適用し、0.05未満の確率値を統計学的に有意とみなした。] [0094] II. 結果 1. 14匹の雄ユカタンブタに対し、上記のセクションIに記載の手順に従って、60分間の中間左前下行動脈閉塞の後、120分間の再灌流を行なった。この14匹の雄ユカタンブタのうち、7匹のブタにビヒクル対照溶液を与え(CT,n=7)、その他の7匹のブタにTP508を与えた(TP,n=7)。全実験を通して、上記のようにして心筋機能をモニタリングした。内皮依存性(ADP)物質および内皮非依存性(SNP)物質に対する冠微細血管応答を調べた。リスク領域(AAR)および壊死の測定には、モナストリルブルー/TTC染色を使用した。ウエスタンブロッティングにより、アポトーシス関連タンパク質の発現を調べた。虚血領域および非虚血領域におけるアポトーシスの大きさの定量には、TUNEL染色を使用した。ボーラス用量を500μg/kgとし、続いて、1.25mg/kg/時の連続IV注入を行なった。] [0095] 心臓機能は、群間で有意に異ならなかった。内皮依存性ADPおよび内皮非依存性SNPに対する冠微細血管応答は、対照(CT)群と比較すると、TP508(TP)群において改善された(図1)。値は、ADPに対する応答において−8(p<0.01)、−6(P=0.01)および−5(p<0.01)、ならびにSNPに対する応答において−6(p=0.04)で有意に異なっていた。] [0096] AARに対する割合としての梗塞サイズは、対照群で44±5%に対して、TP508群では24±4%であった(p=0.01)。] [0097] 抗アポトーシスタンパク質Bcl−2の発現は、対照群と比べてTP508群において2.2倍高かった(p=0.04)。アポトーシス促進性タンパク質PARP(1.6倍、p=0.02)、切断型PARP(6.3倍、p<0.01)、およびBNIP3(3.7倍、p<0.01)の発現は、虚血領域では、対照群と比べてTP508群において高かった。しかしながら、AARにおけるTUNEL+細胞計数は、TP508群と比べて対照群において1.8倍高かった(p=0.02)。] [0098] この試験により、トロンビン断片での処置によって、梗塞サイズが減少し、急性心筋損傷の状況における内皮微細血管応答が改善されることが示された。Bcl−2の発現は、TP508処置で有意に高く、これは、アポトーシス細胞の数の減少の説明となり得る。したがって、TP508により、心筋梗塞が著しく低減され、微細血管機能が改善され、心筋組織内でのアポトーシスが低減され得る。] [0099] 2.高コレステロール血症の(HC)ブタに、4%のコレステロール、17.2%のココナッツ油、2.3%のコーン油、1.5%のコール酸ナトリウムおよび75%の通常の飼料からなる高脂肪食を4週間摂取させた。この食事により、普通の食事を摂取させたブタと比べて、血清コレステロール、LDLおよびHDLのレベルが3.5〜9倍増大した。このHCブタに対し、正常コレステロール血の(NC)ブタと同じ急性心筋梗塞(AMI)外科処置を、上記およびセクションIに記載のようにして行なった。7匹のブタ(OVC)は正常コレステロール血で、ビヒクル対照溶液を受け(n=7)、7匹のブタ(OTC)は正常コレステロール血で、上記のようにしてTP508で処置した(TP,n=7)。7匹のブタ(OVH)は高コレステロール血症で、ビヒクル対照溶液を受けた(n=7)。7匹のブタ(OTH)は高コレステロール血症で、上記のようにしてTP508で処置した(TP,n=7)。4匹のブタ(OTHF)は高コレステロール血症で、2倍用量のTP508で処置した(TP,n=4)。] [0100] HC食事により、NCブタと比べて梗塞が有意に大きくなった(HCブタのリスク領域(AAR)で61%に対してNCブタでは41%;p=0.01)。セクションIで上記のように、TP508処置HCブタに対し、再灌流前に、0.5mg/kg(OTH)または1.0mg/kg(OTHF)のボーラス用量を10分間与えた。これに続いて、全2時間の再灌流期間中、1.25mg/kg/時(OTH)または2.5mg/kg/時(OTHF)の低速注入を行なった。図2に示されるように、OTH群は、生理食塩水処置OVH対照群と比べて有意に小さい梗塞サイズを有した(40%対61%;p=0.003)。OTHF群においてTP508の用量を2倍にすると、梗塞サイズは27%までさらに縮小された(OVHに対してp=0.003;OTHに対してp=0.01)。要約すると、梗塞サイズは、OVHと比べると、OTC(p=0.03)およびOTHF(p=0.0003)において有意に減少した(すなわち、61%から40%および27%に)。OVHでは、OVCと比べて、ほぼ1.5倍の梗塞サイズ増大が示された。OTCでは、OVCと比べて、ほぼ1.5倍の梗塞サイズ減少が示された。] 図2 [0101] 図3は、全左心室質量に対する割合としてのリスク領域(AAR)を示すグラフである。図3は、リスク領域(AAR)が、いずれの群においても有意に異ならなかったことを示す。7匹のブタ(OVC)は正常コレステロール血で、ビヒクル対照溶液を受け(n=7)、7匹のブタ(OTC)は正常コレステロール血で、上記のようにしてTP508で処置した(TP,n=7)。7匹のブタ(OVH)は高コレステロール血症で、ビヒクル対照溶液を受けた(n=7)。7匹のブタ(OTH)は高コレステロール血症で、上記のようにしてTP508で処置した(TP,n=7)。4匹のブタ(OTHF)は高コレステロール血症で、上記のようにして2倍用量のTP508で処置した(TP,n=4)。LVの梗塞領域(無染色を特徴とする)、非梗塞形成リスク領域(赤色の組織染色を特徴とする)、および非虚血部分(紫色の組織染色を特徴とする)を互いに明確に解離し、重量計測した。リスク領域率は:(梗塞質量+非梗塞リスク領域の質量)/全LV質量×100と定義した。] 図3 [0102] これらのデータは、TP508が、高コレステロール血症のブタにおいて梗塞サイズを用量依存的に縮小させることを示す。] [0103] 実施例2 I.実験手順 急性心筋梗塞の正常コレステロール血の(NC)ブタモデルの梗塞サイズに対するTP508の効果を調べるため、体重がほぼ25kgで通常の飼料の普通の食事をしているNCユカタンミニブタを無作為に2つの群に分けた。これらの群は、(1)プラセボ(n=7)および(2)TP508処置(n=7)とした。14匹の動物はすべて、第二対角枝に対して遠位の左前下行(LAD)動脈閉塞による局所左心室(LV)虚血(60分間)およびこの動脈閉塞の直後の再灌流(120分間)に供した。この2つの群には、再灌流の開始前に、プラセボ(NC−対照;生理食塩水)または0.5mg/kgのTP508(NC−TP508)いずれかの静脈内(IV)ボーラス用量を10分間与えた。この2つの群を、全120分間の再灌流期間中、プラセボ(NC−対照;生理食塩水)または1.25mg/kg/時のTP508(NC−TP508)の持続的IV注入に供した。] [0104] ブタモデルにおける梗塞サイズの取得および解析のための実施例1に記載の実験手順を、実施例2において使用した。] [0105] II. 結果 正常コレステロール血のTP508(NC−TP508)で処置したユカタンミニブタでは、プラセボで処置した対照群(NC−対照)と比べて有意に小さい梗塞サイズが示された。図4に示されるように、急性虚血事象後のTP508での処置により、梗塞サイズの有意な縮小がもたらされた(すなわち、対照群と比べて45%縮小;図4)。この結果は、TP508が、急性心筋梗塞後の心筋層における梗塞サイズの縮小に対してプラスの効果を有することを示す。] 図4 [0106] 実施例3 I.実験手順 急性心筋梗塞の高コレステロール血症の(HC)ブタモデルの梗塞サイズに対するTP508およびTP508二量体の効果を調べるため、HCユカタンミニブタに対して、4%のコレステロール、17.2%のココナッツ油、2.3%のコーン油、1.5%のコール酸ナトリウムおよび75%通常の飼料の高コレステロール食事の摂取を、7週齢のときに開始させ、全試験期間を通して継続させた。体重がほぼ25kgのHCユカタンミニブタを無作為に、各々7匹のブタ(n=7)からなる5つの群に分けた。これらの群は:(1)プラセボ(HC−対照;n=7);(2)0.05mg/kgの静脈内ボーラス用量および0.125mg/kg/時の注入用量でのTP508処置(HC−TP508用量0.1倍;n=7);(3)0.5mg/kgの静脈内ボーラス用量および1.25mg/kg/時の注入用量でのTP508処置(HC−TP508用量1倍;n=7);(4)1.0mg/kgの静脈内ボーラス用量および2.50mg/kg/時の注入用量でのTP508処置(HC−TP508用量2倍;n=7);ならびに(5)モルベースでHC−TP508用量1倍に等価な用量でのTP508二量体処置(HC−TP508二量体;n=7)とした。実施例1および2に記載のように、動物はすべて、第二対角枝に対して遠位の左前下行(LAD)動脈閉塞による局所左心室(LV)虚血(60分間)の後、再灌流(120分間)に供した。該用量の投与のタイミングは実施例1および2と同じにした。梗塞サイズの取得および解析には、実施例1に詳細に記載したものと同じ実験手順を使用した。] [0107] II. 結果 図5に示されるように、TP508(HC−TP508用量0.1倍;HC−TP508用量1倍;およびHC−TP508用量2倍)またはTP508二量体(HC−TP508二量体)で処置した高コレステロール血症の(HC)ユカタンミニブタでは、プラセボで処置した対照群(HC−対照)と比べて小さい梗塞サイズが示された。急性虚血事象後のTP508での処置により、梗塞サイズの有意な縮小がもたらされた:対照群と比べて、HC−TP508用量1倍群において32%縮小およびHC−TP508用量2倍群において54%縮小(図4)。さらに、TP508と同様、TP508二量体でも、梗塞サイズの縮小に対してプラスの効果が示された。HC−TP508用量1倍群で使用した用量とモル用量において等価なTP508二量体で処置したHCユカタンミニブタでは、対照と比べて、梗塞サイズの32%縮小が示された(HC−TP508用量1倍群で観測されたものと同様の縮小)。] 図4 図5 [0108] これらの結果は、TP508とTP508二量体がともに、急性心筋梗塞後の心筋層における梗塞サイズの縮小に対してプラスの効果を有することを示す。] 実施例 [0109] 本発明を、その一例の実施形態に関して具体的に図示および記載したが、当業者には、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書において形態および詳細において種々の変更がなされ得ることが理解されよう。]
权利要求:
請求項1 急性心筋梗塞中、被検体に、非タンパク質分解的活性化トロンビン受容体のアゴニストの治療有効量を投与することを含む、被検体の急性心筋梗塞の処置方法。 請求項2 前記アゴニストが静脈内投与される、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記アゴニストが単独投与される、請求項1に記載の方法。 請求項4 前記アゴニストがアミノ酸配列Asp−Ala−Rを含むトロンビンペプチド誘導体であり、式中、Rはセリンエステラーゼ保存配列である、請求項1に記載の方法。 請求項5 前記トロンビンペプチド誘導体が約12〜約23アミノ酸残基長である、請求項4に記載の方法。 請求項6 前記セリンエステラーゼ保存配列が、Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:14)または少なくとも6個のアミノ酸残基を有するそのC末端切断断片を含む、ただし、該セリンエステラーゼ保存配列内の0、1、2または3個のアミノ酸残基は、配列番号:14内の対応する位置と異なっているものとする、請求項5に記載の方法。 請求項7 前記セリンエステラーゼ保存配列が、Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:14)または少なくとも9個のアミノ酸残基を有するそのC末端切断断片を含む、ただし、該セリンエステラーゼ保存領域内のアミノ酸残基の0、1または2個は、配列番号:14の対応するアミノ酸の保存的置換であるものとする、請求項5に記載の方法。 請求項8 前記セリンエステラーゼ保存配列が、Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:15)または少なくとも6個のアミノ酸残基を有する配列番号:15のC末端切断断片を含み、式中、X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである、請求項5に記載の方法。 請求項9 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala(配列番号:16)を含む、請求項8に記載の方法。 請求項10 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:17)または少なくとも6個のアミノ酸残基を有するそのC末端切断断片を含み、該ペプチド内の0、1、2または3個のアミノ酸残基が配列番号:17内の対応する位置と異なっている、請求項5に記載の方法。 請求項11 前記トロンビン誘導体がC末端アミドを含み、アシル化N末端を任意選択で含み、該C末端アミドが−C(O)NRaRbで表わされ、式中、RaおよびRbは、独立して、水素、10個までの炭素原子を含む置換もしくは非置換脂肪族基であるか、またはRaとRbが、これらが結合している窒素と一緒になってC3〜C10非芳香族複素環式基を形成しており、該N末端アシル基はRcC(O)−で表わされ、、式中、Rcは水素、10個までの炭素原子を含む置換もしくは非置換脂肪族基、またはC3〜C10置換もしくは非置換芳香族基である、請求項10に記載の方法。 請求項12 前記トロンビンペプチド誘導体が、非置換であるN末端と、非置換であるC末端または−C(O)NH2で表わされるC末端アミドを含む、請求項10に記載の方法。 請求項13 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:17)または少なくとも6個のアミノ酸残基を有するそのC末端切断断片を含み、該ペプチド内のアミノ酸残基の0、1または2個が配列番号:17の対応するアミノ酸の保存的置換である、請求項12に記載の方法。 請求項14 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:1)を含み、式中、X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである、請求項5に記載の方法。 請求項15 X1がGluであり、X2がPheである、請求項14に記載の方法。 請求項16 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:6)、少なくとも14個のアミノ酸残基を有する該トロンビンペプチド誘導体のN末端切断断片、または少なくとも18個のアミノ酸残基を有する該トロンビンペプチド誘導体のC末端切断断片を含む、ただし、該トロンビン誘導体内の1〜9および14〜23位の0、1、2または3個のアミノ酸残基は、配列番号:6内の対応する位置のアミノ酸残基と異なっているものとする、請求項12に記載の方法。 請求項17 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:6)、少なくとも14個のアミノ酸残基を有する該トロンビンペプチド誘導体のN末端切断断片、または少なくとも18個のアミノ酸残基を有する該トロンビンペプチド誘導体のC末端切断断片を含む、ただし、該トロンビン誘導体内の1〜9および14〜23位のアミノ酸残基の0、1または2個は、配列番号:6内の対応する位置のアミノ酸の保存的置換であるものとする、請求項12に記載の方法。 請求項18 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:2)、少なくとも14個のアミノ酸残基を有する該トロンビンペプチド誘導体のN末端切断断片、または少なくとも18個のアミノ酸残基を有する該トロンビンペプチド誘導体のC末端切断断片を含み、式中、X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである、請求項5に記載の方法。 請求項19 被検体に、非タンパク質分解的活性化トロンビン受容体のアゴニストの治療有効量を投与することを含み、該アゴニストが、ポリペプチドH−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−NH2(配列番号:3)である、被検体の急性心筋梗塞の処置方法。 請求項20 前記急性心筋梗塞が左心室(venticular)壁で起こっている、請求項5に記載の方法。 請求項21 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Xaa−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:11)または少なくとも6個のアミノ酸残基を有するそのC末端切断断片を含み、該ペプチド内の0、1、2または3個のアミノ酸が配列番号:11内の対応する位置と異なっている、ただし、Xaaはアラニン、グリシン、セリンまたはS保護システインであるものとする、請求項5に記載の方法。 請求項22 前記トロンビンペプチド誘導体がC末端アミドを含み、アシル化N末端を任意選択で含み、該C末端アミドが−C(O)NRaRbで表わされ、式中、RaおよびRbは、独立して、水素、10個までの炭素原子を含む置換もしくは非置換脂肪族基であるか、またはRaとRbが、これらが結合している窒素と一緒になってC3〜C10非芳香族複素環式基を形成しており、該N末端アシル基はRcC(O)−で表わされ、式中、Rcは水素、10個までの炭素原子を含む置換もしくは非置換脂肪族基、またはC3〜C10置換もしくは非置換芳香族基である、請求項21に記載の方法。 請求項23 前記トロンビンペプチド誘導体が、非置換であるN末端と、非置換であるC末端または−C(O)NH2で表わされるC末端アミドを含む、請求項21に記載の方法。 請求項24 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Xaa−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:11)または少なくとも6個のアミノ酸残基を有するそのC末端切断断片を含み、該ポリペプチド内のアミノ酸残基の0、1または2個が配列番号:11の対応するアミノ酸の保存的置換である、ただし、Xaaはアラニン、グリシン、セリンまたはS保護システインであるものとする、請求項5に記載の方法。 請求項25 Xaaがアラニンである、請求項24に記載の方法。 請求項26 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Xaa−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:4)を含み、式中、Xaaはアラニン、グリシン、セリンまたはS保護システインであり;X1はGluまたはGlnであり;X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである、請求項5に記載の方法。 請求項27 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Xaa−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:20)または配列番号:20のアミノ酸残基10〜18を含むその断片を含む、ただし、該トロンビンペプチド誘導体内の0、1または2個のアミノ酸残基は、配列番号:20内の対応する位置のアミノ酸残基と異なっているものとする、請求項23に記載の方法。 請求項28 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Xaa−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:20)を含み、式中、Xaaはアラニン、グリシン、セリンもしくはS保護システインまたは配列番号:20のアミノ酸残基10〜18を含むその断片である、ただし、該トロンビンペプチド誘導体内の0、1または2個のアミノ酸残基が、配列番号:20内の対応する位置のアミノ酸残基の保存的置換であるものとする、請求項5に記載の方法。 請求項29 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Xaa−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:5)または配列番号:5のアミノ酸残基10〜18を含むその断片を含み、式中、Xaaはアラニン、グリシン、セリンまたはS保護システインであり;X1はGluまたはGlnであり;X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである、請求項5に記載の方法。 請求項30 Xaaがアラニンである、請求項29に記載の方法。 請求項31 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Xaa−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:5)を含み、式中、Xaaはアラニン、グリシン、セリンまたはS保護システインであり、X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである、請求項5に記載の方法。 請求項32 Xaaがアラニンである、請求項31に記載の方法。 請求項33 X1がGluであり、X2がPheである、請求項31に記載の方法。 請求項34 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドH−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Ala−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−NH2(配列番号:22)である、請求項5に記載の方法。 請求項35 前記アゴニストが、12〜23アミノ酸残基長の2つのトロンビンペプチド誘導体を含むペプチド二量体であり、該トロンビンペプチド誘導体が、独立して、ポリペプチドAsp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:10)を含み、式中、X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisもしくはValまたは少なくとも6個のアミノ酸残基を有するそのC末端切断断片である、ただし、該ポリペプチド内の0、1、2または3個のアミノ酸残基は、配列番号:10内の対応する位置の残基と異なっているものとする;該トロンビンペプチド誘導体は任意選択でC末端アミドを含み;該トロンビンペプチド誘導体はアシル化N末端を任意選択で含む、請求項1に記載の方法。 請求項36 前記二量体が本質的に単量体を含まない、請求項35に記載の方法。 請求項37 前記トロンビンペプチド誘導体が同じである、請求項36に記載の方法。 請求項38 前記トロンビンペプチド誘導体がジスルフィド結合によって共有結合されている、請求項37に記載の方法。 請求項39 前記トロンビンペプチド誘導体が約12〜約23個のアミノ酸からなる、請求項38に記載の方法。 請求項40 前記トロンビンペプチド誘導体がC末端アミドを含み、アシル化N末端を任意選択で含み、該C末端アミドが−C(O)NRaRbで表わされ、RaおよびRbは、独立して、水素、10個までの炭素原子を含む置換もしくは非置換脂肪族基であるか、またはRaとRbが、これらが結合している窒素と一緒になってC3〜C10非芳香族複素環式基を形成しており、該N末端アシル基はRcC(O)−で表わされ、式中、Rcは水素、10個までの炭素原子を含む置換もしくは非置換脂肪族基、またはC3〜C10置換もしくは非置換芳香族基である、請求項39に記載の方法。 請求項41 前記トロンビンペプチド誘導体が各々、非置換であるN末端;および非置換であるC末端または−C(O)NH2で表わされるC末端アミドを含む、請求項39に記載の方法。 請求項42 前記トロンビンペプチド誘導体が、Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:17)または少なくとも6個のアミノ酸残基を有するそのC末端切断断片のアミノ酸配列を含む、ただし、該トロンビンペプチド誘導体内のアミノ酸残基の0、1または2個が、配列番号:17内の対応するアミノ酸残基の保存的置換であるものとする、請求項41に記載の方法。 請求項43 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:1)を含み、式中、X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである、請求項41に記載の方法。 請求項44 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:6)または配列番号:6のアミノ酸残基10〜18を含むその断片を含む、ただし、該トロンビンペプチド誘導体内の0、1、2または3個のアミノ酸残基は、配列番号:6内の対応する位置のアミノ酸残基と異なっているものとする、請求項41に記載の方法。 請求項45 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:6)または配列番号:6のアミノ酸残基10〜18を含むその断片を含む、ただし、該トロンビンペプチド誘導体内の0、1または2個のアミノ酸残基は、配列番号:6内の対応する位置のアミノ酸残基の保存的置換であるものとする、請求項41に記載の方法。 請求項46 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:2)を含み、式中、X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisもしくはValまたは配列番号:2のアミノ酸残基10〜18を含むその断片である、請求項41に記載の方法。 請求項47 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号:2)を含み、式中、X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである、請求項41に記載の方法。 請求項48 X1がGluであり、X2がPheである、請求項47に記載の方法。 請求項49 前記トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドH−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val−NH2(配列番号:12)を含み、式中、X1はGluまたはGlnであり、X2はPhe、Met、Leu、HisまたはValである、請求項40に記載の方法。 請求項50 X1がGluであり、X2がPheである、請求項49に記載の方法。 請求項51 前記アゴニストが、各々がポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号:6)を含む2つのトロンビン誘導体を含むペプチド二量体であり、該トロンビンペプチド誘導体がジスルフィド結合によって共有結合されている、請求項1に記載の方法。 請求項52 急性心筋梗塞中、被検体に、非タンパク質分解的活性化トロンビン受容体のアゴニストの治療有効量を投与することを含む、急性心筋梗塞が起こっている被検体において心筋組織のアポトーシスを低減する方法。 請求項53 前記アゴニストが、下記の構造式:で表わされるペプチド二量体である、請求項1または52に記載の方法。 請求項54 前記アゴニストが心筋梗塞発症の120分以内に投与される、請求項1または52に記載の方法。 請求項55 前記アゴニストが心筋梗塞発症の6時間以内に投与される、請求項1または52に記載の方法。 請求項56 前記アゴニストが心筋梗塞発症の7日以内に投与される、請求項1または52に記載の方法。 請求項57 前記急性心筋梗塞が左心室壁で起こっている、請求項1または52に記載の方法。 請求項58 前記急性心筋梗塞が右心室壁で起こっている、請求項1または52に記載の方法。 請求項59 前記アゴニストが別の治療用薬剤と組み合わせて投与される、請求項1または52に記載の方法。 請求項60 前記アゴニストが心臓組織に直接投与される、請求項1または52に記載の方法。 請求項61 前記アゴニストが薬学的に許容され得る担体とともに投与される、請求項1または52に記載の方法。 請求項62 前記アゴニストが、ポリペプチドH−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Ser−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−NH2(配列番号:28)である、請求項1または52に記載の方法。 請求項63 被検体における心筋組織のアポトーシスの前記低減が、アポトーシスと関連している1種類以上のタンパク質因子のレベルが未処置対照と比べて低いことにより判定される、請求項52に記載の方法。 請求項64 前記タンパク質因子が、アポトーシス誘導因子(AIF)、badおよび切断型カスパーゼ3からなる群より選択される、請求項63に記載の方法。
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